体のほてりやカユミをしずめる

汗が出てほてり、のどが渇く熱中症に

　白虎加人参湯は比較的体力があり、熱感と口渇が強い方のほてり、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみなどを改善します。熱感を抑え、炎症を鎮める働きがあります。体のほてりやカユミをしずめる漢方薬のため、そのような症状をともなう糖尿病にも用います。

　そもそも白虎加人参湯は、白虎湯（びゃっことう）に人参を加えた加方で、白虎湯は急性発熱性の感染症にかかり、炎症が強く、悪寒（ゾクゾクし体が震える様な強い寒気）は伴わないものの、自覚的にも他覚的にも高熱あるいは灼熱感（ヒリヒリ、チクチク、焼ける様な痛み）があるものに用いる処方です。そこに人参を加えることにで、高熱と発汗により脱水症状に陥り、のどの渇きを強く訴える場合に用いられる処方として様々な場面への応用されています。

　中国の古典には、この処方を「暍病（えつびょう）」に用いるという記載もあるそうです。この「暍病」とは熱中症・日射病のことで、汗が出て悪寒がし、身体に熱があって、のどが渇く症状が現れるため、白虎加人参湯を用いると言われています。これにより現代の日本の熱中症にも白虎加人参湯が多用され効果を発揮しています。