ジメジメ梅雨は、お肌のトラブルにご注意を
2016/06/15 12:20
カテゴリー: 皮膚病・皮膚トラブル,漢方薬・自然薬,カゼ・インフルエンザ
ジメジメ梅雨は、お肌のトラブルにご注意を 1
豊橋市近郊では、今年は雨は少な目ですが、やはりジメジメして過ごしにくい、梅雨の季節がやってきました。
ただ暑いだけではなく、かいた汗が蒸発し難く肌がベタベタ不快な季節です。皮膚病をお持ちの方にはかゆみなどの肌のトラブルも出やすいつらい季節です。
皮膚病といえば、華岡青洲(はなおかせいしゅう)という江戸時代の外科医がいました。世界で初めて全身麻酔を用いた乳ガンの手術に成功した華岡青洲は、西洋医学(蘭方)の有名のように見られていますが、漢方でも貢献しています。
華岡青洲は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)や紫雲膏(しうんこう)などの処方を作っています。全く新しく発明したというよりも、中国に存在した有名な処方(名方)を日本人に合った処方にアレンジしたものです。
●漢方の抗生物質...荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)
十味敗毒湯のベースとなった処方が、荊防敗毒散です。
いざ日本で作る段になると、羌活(きょうかつ)、前胡(ぜんこ)という生薬が手に入りにくいなどの理由で、国内にある10生薬だけで十味敗毒湯にまとめたようです。荊防敗毒散の代わりに十味敗毒散を使う場合もあります。
漢方薬の効果や性質(方意)としては、ほぼ同じですが、
清熱解毒や解表の点では、荊防敗毒散が一歩優れています。
排膿:膿(うみ)を排出したりする作用
このような点から「漢方の抗生物質」ともいわれています。病院で出される抗生物質の副作用の胃が荒れて飲めない、便秘になる、気持ち悪くなる、体調が悪くなる…など方にお勧めの処方です。
ジメジメ梅雨は、お肌のトラブルにご注意を 2
アトピー性皮膚炎の治療でいつも問題になるのがステロイド剤の副作用です。
皮膚炎の炎症とるには最も強力でありますが、その副作用が心配で気軽に使えないのが現状です。
漢方の軟膏・紫雲膏(しうんこう)ならその点は安全ですが、抗炎症薬としては今一つ効果が弱いです。カユミもすぐには取れません。
紫雲膏は別名・潤肌膏といわれ、お肌(ドライスキン)を潤したり、慢性炎症で皮膚が崩れたりしたのを再生するには優れた効果を発揮します。
アトピーの炎症期(赤くなったり、カユミが増す)の軟膏としては、やはり神仙太乙膏(しんせんたいつこう)です。清熱薬も補血薬も配合され、まさに内服の温清飲のような処方構成です。かつてはアトピーに最もよく使われた漢方です。その外用版(軟膏)です。若干の解表薬も入っているので、アトピーの増悪因子となるカユミを抑えることもできます。
ステロイドを使わなくても、その代わりとなる漢方軟膏をぜひお試しください。
ジメジメ梅雨は、お肌のトラブルにご注意を 3
●漢方の飲むワクチン...玉屏風散(ぎょくへいふうさん)
西洋薬にはワクチン以外に予防の薬などはありません。
漢方は未病医学といわれ、病気にならないようにする予防薬の宝庫です。
かぜや花粉症のシーズンには、体力に自信のない方は、外出を控えて、家の中でじっとしていなくてはいけないのでしょうか?
そんなことはありません。玉屏風散(ぎょくへいふうさん)があります。
玉屏風散の方意は扶正去邪(ふせいきょじゃ)といって、正気(免疫力や抵抗力)を高めて、細菌やウイルス、アレルゲン(病邪)を体内に入れない働きがあります。妊婦や高齢者、それに抵抗力の弱い小児などに前もって服用してもらえる「漢方ワクチン」のような処方です。
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