愛知県豊橋市の漢方自然薬のイバ

生薬情報:薄荷(ハッカ)

2021/03/09 00:00

カテゴリー: 漢方薬・自然薬

薄荷(ハッカ)


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 最近は日本でも、エステや美容院などでアロマテラピーを取り入れているお店が増えてきました。精油成分を多く含んだ植物を利用したアロマ(芳香)テラピー(療法)ですが、漢方でも、精油成分を多く含んだ生薬が使われています。古くからヨーロッパで、全草がいわゆるハーブ療法に利用されてきた薬用植物の中から今回は、薄荷(ハッカ)についてご紹介いたします。

薄荷は、その清涼感と良い香りがする精油のみが、肩こりや捻挫のハップ剤などをはじめとする外用薬に配合されたり、歯磨き粉、キャンディ、ガムなどに添加されてきたため、以前の日本では案外と薄荷の実物を知る人は少なかったようです。平成、令和と時代が流れ、お洒落なカフェのスイーツやドリンク、レストランの料理の付けあわせなどにも使われるようになり、薄荷自体が身近なものになってきました。それでも、薄荷には多くの種類があり、また実際の効果に関してはまだよく知られていないようです。

 薄荷は日本薬局方(医薬品に関する品質規格書)において、シソ科ハッカ(Mentha arvensis Linné var. piperascens Malinvaud)の地上部であると規定されています。

多年草で、40~60cmほどに育ち、7~8月頃に開花します。東アジアに広く分布し、主な産地としては中国の浙江省と安徽省などが知られ、日本でも北海道などで栽培されています。

 精油含量が最高になる開花初期に収穫され、葉の青味・香気が強く新鮮で、よく乾燥したものが良品とされます。

ハッカ_IMG_0849

 当店と取引のある漢方薬専門メーカーでは、日本薬局方に定められた薄層クロマトグラフィー(TLC)による確認試験や精油含量などの試験を行い、薄荷の品質管理しています。基原植物のハッカはハッカ類の中でも、ℓ-メントールを多く含有しています。別種のハッカ類であるセイヨウハッカ(ペパーミント)もℓ-メントールを含有しますが、その含有量はハッカよりも少なく、精油成分の構成比も異なります。また、ミドリハッカ(スペアミント)はℓ-カルボンを主成分とし、ℓ-メントールはほとんど含みません。日本薬局方の試験を行い、性状確認における香りや、メントールを指標成分とした薄層クロマトグラフィー(TLC)のパターンから、このようなハッカ類と区別しています。

 薄荷の民間的な利用方法として、ティーポットに入れ熱湯を注いでお茶にする、ポットやナベを火にかけて軽く煮立たせて服用すると、精神的な疲労を取り、気持ちが爽やかになり、また、強壮効果があるといわれています。入浴剤(浴湯料)として、消臭、消毒、鎮痛、鎮静、精神疲労の回復や、血行を改善し新陳代謝を活発にする効果もあります。また、食欲増進や独特の清涼感のある香りと味で料理や飲み物の味や香り付けに使用され、幅広い用途が今なお受け継がれています。

 生薬の薄荷には、中枢抑制、血管拡張、鎮痛・鎮痙などの作用が知られ、頭痛、鼻づまり、眼の充血、口内炎などに応用されます。このような効能が知られた薄荷は、逍遙散でも使われており、主薬の柴胡とともに作用し、自律神経の緊張を緩和します。のぼせやほてりが強い場合は、逍遙散に牡丹皮と山梔子を加えた加味逍遙散の方がより効果的です。年末年始や年度替りなどは何かとせわしなく、環境変化がストレスとなり、自律神経が乱れてイライラや憂鬱になるなどの症状が現れる場合があります。そのような症状でお悩みの方に、ぜひ「逍遙散」「加味逍遙散」をお薦めいたします。

 薄荷が配合される漢方薬は他にも「荊芥連翹湯」「防風通聖散」「柴胡清肝湯」などがあります。

  • 逍遙散(しょうようさん):現在の日本では仕事を持った女性が年々増加し、家事や子育てに加えてお仕事で忙しくゆとりのない生活を送る方が増えています。それによりストレスがたまり、冷えや便通など健康に関することまでも我慢しがちになります。それがもとで生活のリズムが崩れ、肩こり、疲れやすい、ゆううつ、イライラ、落ち着きがなくなるなど、いわゆる不定愁訴に悩まされる方が増えています。

    逍遙散は、生理痛、生理不順などの女性特有の症状のほかに、冷え、不眠症、更年期障害、神経症にも喜ばれています。


    肩こりや疲れやすいなどがあり、不安などの神経症状がある方(ときには便秘の傾向もある)の、冷え症、月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、不眠、虚弱体質

    (血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のこと。)

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):昨今の社会生活では、ゆとりを保つことが難しく、冷えや便通などを我慢しがちです。こういった積み重ね→リズムを崩し、肩がこる、疲れやすい、落ち着きがなくなるといったいわゆる不定愁訴に悩む方が増えています。
     加味逍遙散は、生理不順、月経困難といった女性特有の症状のほか、冷え症や不眠症、更年期障害、神経症にも喜ばれています。に効果があります。また、不眠症や更年期障害にも用いられます。
    のぼせ感があり、肩こり、疲れやすく、不安、イライラがある方の、冷え症、月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、不眠、虚弱体質

  • 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):蓄膿症やアレルギーによる鼻炎などがなかなか治らず、治療に通ったり、あきらめたりといった具合で、「鼻」に悩んでおられる方が近年大変増えています。
     漢方では、過敏な体質またはアレルギー体質で、粘膜、皮膚が外界の刺激に反応しやすく、演奏反応を起こしやすい体質を解毒証体質と呼んでいますが、このような方は鼻症状を起こしやすく、また扁桃をしょっちゅう腫らしたり、ニキビがなかなか治らなかったりします。荊芥連翹湯は、これらの症状を直していく漢方薬でありますが、同時に水分や脂肪分の摂取を控えるなど、食生活や生活習慣の改善を心がけることも大切です。
    慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性扁桃炎、にきび

  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):便秘を改善し、排尿、発汗を促して体内の老廃物を取り去る効果があります。これらにより体調を整え、脂肪が多い肥満体質を改善する処方です。
     便秘がちで、特に腹部の皮下脂肪が厚い脂肪太りの方に用いられ、また同時に高血圧に伴う症状がある場合にも効果があります。
    高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症

  • 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう):近年は食生活や生活環境の変化に伴い、アレルギー性などの湿疹がなかなか治らなかったり、すぐ扁桃を腫らしてしまう小児が増えています。
    疳(かん)の強い傾向(神経過敏)がある子供、または大人の、神経症、慢性扁桃炎、湿疹皮膚炎、虚弱児の体質改善などに用います。


参考・出典:「コタロー」通信

 

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